教員採用試験に合格するのは簡単です。【後編】

前回の記事では、教員採用試験に関する出願〜筆記試験対策までを解説しました。

今回は、面接対策についてお話していこうと思います。

就職活動は教員採用試験の合格を引き寄せる

就職活動

一見すると、就職活動は企業の採用活動であり、教員採用試験とはなんら関係がないように思いませんか?

体感ですが、教員採用試験を受ける人のほとんどが、就職活動をしていないように思います。

就活と教採は関係ない?そんなの時間の無駄?

いえ、決してそんなことはありません。

順番に解説していきます。

自分の”売り”がはっきりする

就職活動では、当然1つの会社だけを受けるのではありません。

複数の会社、人によっては100社以上受ける方もいると思います。

そういった中で、何回も書くことになるのがエントリーシート、いわゆる履歴書のような物です。

エントリーシートを何回も書いていると、その時点で不採用の通知がきたり、一方で書類審査を通過したりします。その過程で「通過する書類の書き方」がわかってきます。

通過した書類を分析して、どの部分が良かったのか、自分のアピールポイントはどこで、どういう形でそれを伝えると効果的なのかがだんだんとわかってきます。それを整理することで、そのあとの面接にも活きてきます。

自己分析が面接の武器になる

エントリーシートは、淡々と何枚も書いていくわけではありません。

就活生は必ず行うであろう、自己分析をしながら書いていくことになります。

自己分析に関しては色々な方法があると思いますし、それぞれに考え方があると思いますが、私は本を一冊買って行いました。

絶対内定2020 自己分析とキャリアデザインの描き方

この本は、当時大学生だった私にとって、とても意義のある物でした。

目標や自分のやりたいことが何なのかわからなかった自分に対して語りかけてくるような、アツい言葉がたくさんあり、ワークシートもたくさん入っているのでかなり活用しました。

今でも本棚にしまってあり、時々読み返すことがあります。仕事をしている中で悩んだり、迷ったりすることもありますが、そんな時にこの本に書いた自分の言葉を読み返すと、少し気持ちがクリアになることもあります。

本の中に書かれていることの全てを受け入れる必要は全くありません。納得できる部分を自分の中に落とし込んでいくと、必ず役に立つと思います。

内定が大きな自信を生む

就職活動をして、一社は内定をもらうことを目指してください。

それだけで、教員採用試験での自信や落ち着きが他の受験者とは全く違うものになると思います。

私は教員採用試験を受ける前に、大手企業の内定を数社いただいていました。書類、一次、二次、三次、役員面接など時には何百倍にもなる高い倍率の選考過程を潜り抜けて、採用を勝ち取ることができればそれは大きな自信になります。

多くの受験者は「これで落ちたら来年までどうしよう・・・」という心理状態で来ています。


そんな中「これで落とされたら、面接官の見る目がないな」「落ちたら企業に行けば良い」という自信と余裕を持って試験に臨んでいましたから、採用試験では一切の緊張がありませんでした。プレッシャーなど全くと言って良いほど感じません。

勘違いと言われるかもしれませんが、要はそれくらい自信を持って試験に臨めたということです。だからこそ、筆記試験の結果がかなり悪くても採用されたんだと思います。(笑)

就職活動は人生にとって大きなターニングポイントだった

道のり

ここまで、教員採用試験を通過するためのいわばテクニックとして、就職活動をすることを勧めて来ました。

就職活動をすることが、教員採用試験の合格を大きく引き寄せたことは間違いありません。しかし、私が言いたいことの本質は実はそこではありません。

就職活動をすることは、「人生」にとって大きな意味がありました。

そもそも、なぜ教員を志望する多くの方は、初めから企業で働くということを視野にも入れないのでしょうか?

私はそのことに対してとても疑問があります。

少なくとも就職活動をして、会社説明やOBの方の話を聞いた上で最終的に教員を志すというのは全く問題がないと思います。理想を言えば企業で実際に働いてみた上で、教員に転職するということも良いと思います。

私の場合、教員が第一志望であったものの、企業で働くことも考え、実際に就職活動をしていく中で様々な発見がありました。
もちろん表面的な部分であることは間違い無いのだけれど、企業で働くやりがいや面白みなども感じることができました。

また、選考過程で素晴らしい人たちとも出会いました。

普通に生活していたら絶対にお会いできない企業の重役や、様々な業界でバリバリ働いているカッコイイ大学の先輩、そして何より同世代の素晴らしいの方々と出会いました。

選考が上にいけばいくほど、日本全国から集まった多様な経験をもつ人たちと出会うことになります。その時出会った方々の一部とは、今でも付き合いがありますが、そこでの経験や交わした言葉は今でも自分の人生の大きな糧になっています。

また、自分の場合、就職活動を進めていくうちに、教育現場で働きたいという気持ちがより強くなり、なぜ自分がそのように感じているのかも整理できるようになってきました。

学校の先生として採用された後もその時の経験は活きています。出会った人たちを通じて、今でも積極的に民間企業の人たちと関わり、学校に招待して一緒に教育活動を進めたこともありました。

もちろん、採用活動においては苦しいこともたくさんありました。

面接官に自分の弱い部分を指摘され、悔しかったこともあります。無機質な不採用の通知メールが何度も来て、心が折れそうになる時もありました。しかしそういった、ある意味で自分を否定される経験を通して「自分とは何か」「何ができるのか」という部分についてより真剣に考えることができたように思います。

就職活動をして、内定をとり、自信をつけることは教員採用試験の合格に役に立ちます。しかし、そんなこと以上に、大きな経験ができることは間違いありませんし、先生になった後も子どもたちにその時のことを話すことができます。苦しかったこと、嬉しかったこと・・・

就職活動は、合格を勝ち取るための小手先のテクニックではありません。

資格学校などが、教員採用試験のための講座をやっていますが、そんなところでひたすら小手先のテクニックを磨いて教員になるよりも、自己分析をして、何度も落とされて、それでもまた次の企業に挑戦して、同世代の仲間や素晴らしい社会人にも出会う中で得られる経験の中で磨かれたあなたは、採用試験の頃には一皮も二皮もむけた成長した自分になっているはずです。

もしかすると、就職活動をする中で「教員よりも企業で働きたい」と思うようになるかもしれません。それだって素晴らしいことです。

就職活動は、たった半年ほどの時間ではありますが、その後の人生において大きな財産になることは間違いありません。

大切なのは、採用された後です。

道

いかがだったでしょうか。

教員の不人気、倍率などの面から見ても、今は教員採用試験に合格することは難しいことではありません。

しかし、重要なことは採用されたあと、どう働いていくかということです。

先生になって改めて思うことがあります。それは、先生としての一番大切な要素は人間的な魅力です。

就職活動もそうですし、より多くの世界を見て、たくさんの人に出会い、失敗を繰り返しながら挑戦し続けること。そしてその中で得たたくさんの経験を目の前の子どもたちに伝えていくことこそ、先生としてのが最大のおもしろさであり、子どもたちにとっても魅力的な大人に映るのではないでしょうか。

先生という仕事は大変ですし、今は難しいフェーズにある業界ではあると思いますが、やりがいはかなりあると思います。

ぜひ、どんどん素晴らしい人に先生になってもらって、一緒に教育業界を盛り上げてほしいと思います。

ば〜い。

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